最近、windows10への切り替えが進むにつれ、パソコンからネットワークプリンターに印刷する時に「印刷できなくなったった」「印刷がすごく遅くなった」、という声を多く聞くようになりました。
こんな時は、Windows10による自動インストールされたプリンタードライバーのWSDポートによる影響で不具合が起きている可能性があります。一度確認してみることをお勧めします。
windows10「印刷できない」「印刷が遅い」場合はプリンタードライバーを確認しよう!
まずは、今回の記事のケースに当てはまる不具合かどうか、プリンタードライバーを確認してみましょう。(以下、画面や手順はwindows10homeの場合となります)
■「スタート」→「設定」→「プリンターとスキャナー」と進みます。
もし、同じような名前のプリンタードライバーが2つあったら、自動インストールされたプリンタードライバーのWSDポートによる影響で不具合が起きている可能性があります。この場合は、自動インストールされたプリンタードライバーを削除すれば一時的に解決できます。
それ以外の場合は、別の問題が発生している可能性があります。
※この確認は同一ネットワークにつながっている、Windows10全てのパソコンを確認する必要があります。他のパソコンの自動インストールされたプリンタードライバーのWSDポートによる影響を受けている可能性もあるからです。
WSDとは?
WSDとは「WSD(Web Services on Devices)」の略です。WSD接続したプリンターのプリンタードライバーを自動インストールするとともに、印刷用ポートとしてWSDポートを作成してくれます。
■メリット
・同一ネットワーク接続されたネットワークプリンター(複合機を含む)も自動で認識して接続してくれる(Windows10の場合ドライバーも自動でインストールされる)。
■デメリット
・通常利用するプリンターが、もともと設定してあったプリンタードライバーから自動インストールされたドライバーに変わってしまう。
・印刷データを解析する処理が入るので印刷が遅くなってしまう。
・プリンターや複合機を共有して使用している場合、WSDポートを利用して印刷している人がいると、他の人の印刷も遅くなったり、印刷できなくなってしまうことがある。
プリンタードライバーのポートを確認する方法
ネットワークプリンターのプリンタードライバー自動インストールは、パソコンをネットワークにつないだ時や「Windows Update」による更新がかかったタイミングでインストールされることが多いようです。
自動インストールされたプリンタードライバーのポートは「WSDポート」になります。また、プリンター名称は「~ WS」になる場合が多いようです。
ネットワークにつながれたプリンターの場合、「Standard TCP/IP ポート」やプリンターメーカーの独自ポートの使用が一般的です。
プリンターとプリンタードライバーが通信をするためのプロトコル(通信手順)の設定です。
ポート設定の確認方法
ポート設定の確認方法は、つぎの通りです。
同じような名称のプリンタードライバーのポート設定を確認します。
1.プリンタードライバーをクリックし、続けて「管理」をクリックします。
2.「プリンターのプロパティ」を選択します。
3.プロパティ画面が開いたら、「ポート」タブをクリックし、ポートにチェックが入っている場所を確認します。「WSDポート」となっていた場合は自動インストールされたドライバーの可能性が高いです。
もともとあったドライバーのポート設定は?
もともとあったドライバーは、次のようなポート設定になっていると思います。そうでない場合は、該当機種のプリンタードライバーを全て消し、再インストールするのがお勧めとなります。
■「Standard TCP/IP ポート」
プリンターや複合機との接続に使用される、もっとも標準的なポート設定です。プリンターに割り当てられたIPアドレスでポートが作成されます。
■プリンターメーカー独自のポート
プリンターや複合機などに付属の「プリンタードライバー・インストーラー」などを使用してインストールした場合に多いポート設定です。ポート設定を確認するとプリンターメーカーの独自ポート(アプリ)がインストールされ、ポート設定に適用されます。
※サンプル画面は、キヤノンのインクジェットプリンターMG3630の場合です。
プリンタードライバーの自動インストールを止める方法とは?!
自動インストールを止める方法として、windows10の設定を変更する方法かプリンター側のWSD機能をオフにする方法があります。
1.Windows10の設定を変更する方法
Windows10の設定を変更する方法は、デバイスの更新設定の変更やグループポリシー変更による自動更新のオフなどいろいろな方法があります。
今回は、比較的簡単な設定のご紹介です。
■「スタート」→「設定」→「ネットワークとインターネット」→「イーサーネット」→
「共有の詳細オプションを変更する」と進みます。
「ネットワークに接続されているデバイスの自動セットアップを有効にする」のチェックを外します。
※前述した通り、同一ネットワークにつながっている、Windows10全てを確認する必要があります(他のパソコンの自動インストールされたプリンタードライバーのWSDポートによる影響を受ける可能性がある為)。
※「WindowsUpdate」により、設定が戻ることがあるので、定期的にチェックが必要です。
2.プリンター側の設定を変更する方法
プリンター側のWSD機能をオフにすることにより、Windows10の自動インストールを防ぐことができます。この方法のメリットは、同一ネットワークにつながっている、Windows10全てを確認する必要もなく、「WindowsUpdate」による影響も受けません。
ただし、WSD機能をオンオフできるのは、複合機やビジネス用プリンター以上でないと設定できない場合が多いようです。
WSD機能の有効/無効については、各メーカーの機種ごとの取説を参照して下さい。
下記に設定方法の例(リンク)をのせておきます。
■WSD機能の有効/無効の設定方法の例
・キヤノン:複合機:imageRUNNNER ADVANCE C3530
最後に
Windows10の発売当初からプリンタードライバーが勝手にインストールされることによるトラブルは続いているようです。トラブルのもとになっているWSDの特性を知っていれば、トラブルシューティングの役に立つのではないでしょうか。
本記事が少しでもお役にたてれば幸いです。
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コメント
情報ありがとうございます
Windows7からWidnows10に無料アップグレードした当初は問題なく印刷できていましたが、EPSON PX-M780F プリンターを新たに使用することになり、LAN上の6台のパソコンにプリンタードライバーやプリンターソフトウェアをインストールした後、ひと月ほどして、ある1台のパソコンのみから、業務システムの報告書提出ボタンを押すと1分ほどはんのしなくなり、その後、動く、という症状が出始めました。報告書提出は以前は紙に印刷もしていたルーチンを印刷せずにオンライン報告のみに変更していました。これに使用していた古い方のPX-750Fプリンターと、780Fとに、WSDポートが設定されて、無駄に2個のプリンタードライバーがインストールされていました。
6台のパソコン上から、780F2台、750F1台について、WSDポートが設定されているプリンター設定を削除しましたが、まだ、報告ボタンを押すと1分待たされる症状は残っています。
同じトラブルに困っている方々へのご参考に。
システム管理を現場の人間でやっています さん
コメントありがとうございます。印刷に関わるトラブルは、OSなのか?ドライバーを含めプリンター側なのか?の切り分けで難儀することも多いのが現状です。複数台での運用をされているようなので、より細かな切り分けと労力が必要と思われます。現場でシステム管理もやられているということで、大変な中、情報共有ありがとうございました。